#1 筋肉は柔らかくないといけないの?

こんにちは。インデペンディエンテ宮古島チームトレーナーの與那城と申します。
チーム2年目にあたる令和元年より、スタッフの方からも情報発信をしていくことになりました。
WEB担当者様のご了解を得てこちらのブログより不定期ですが、情報発信させて頂く事になりましたので
どうぞよろしくお願いします。
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今回はタイトルにもあるように、「柔軟性」についてです。
昔から多くの人が「ストレッチで柔らかくしましょう」と呪文のように言われてきたのではないでしょうか。
そして今でも当たり前に受け入れられています。そして体の硬い人ほど柔らかくしなさいとうるさく言われてきたと思います。確かに大事な要素ではありますが、目的を知っていると見方が変わってきますので、参考にしていただければ幸いです。
細かい説明は省きますが、筋肉には大きく分けて、「速筋(そっきん)繊維(力は出やすいが疲れ易い筋繊維)」と「遅筋(ちきん)繊維(大きな力は出にくいが疲れにくい筋繊維)」に分けられます。これらの筋繊維の割合によって選手のパフォーマンスや競技特性(体に合った競技の事)が分かれるという事が言われてきました。それによって瞬発的な力を必要とする競技では速筋(白筋)繊維優位の人、持久力を必要とする競技では遅筋(赤筋)繊維優位の人がパフォーマンスが高いと言われています。
小学校5年頃からは第二性徴期(成長期)に入り、20歳頃までホルモンの分泌とともに骨や筋肉、内臓などが大人の体に向けて成長していきます。これは、遺伝的な要因や環境、栄養、運動やトレーニングなど様々な要因が作用して構築されていきます。
筋肉の速筋(白筋)繊維や遅筋(赤筋)繊維については長年研究されてきましたが、スポーツにおいての「筋肉のバネ」、つまり「硬くて伸び縮みしにくい筋肉」が良いのか、「柔らかくて伸び縮みしやすい筋肉」がいいのかについてはちゃんとしたデータはありませんでしたが、最近の研究で「筋肉のバネ」について、パフォーマンスと筋肉の性質に関連性があるという事が少しづつ分かってきたそうです。
陸上選手を対象とした研究によると、短距離走選手では「硬く伸び縮みしにくい筋肉」を持つ選手の方がタイムが良く、長距離走選手では「柔らかく伸び縮みしやすい筋肉」を持つ選手の方が総じてタイムは良かったそうです。面白いですね。⇒【プレスリリース】日本の研究.COM
チームの選手達を見ていても、ひとりひとり柔軟性は違います。固い子もいるし柔らかい子もいます。ストレッチは可動域を広げてくれますが、必要以上に柔らかくする必要はなく2~3センチ程度柔らかくなれば十分です。痛いのを我慢して頑張ってストレッチしてしまうと、逆に腱や筋繊維の反射作用によって固くしてしまう場合もあります。また柔らかくし過ぎても筋肉の収縮スピードを低下させてしまい結果パフォーマンスの低下を招いてしまいます。また、すごく柔らかくなったからといってもケガに繋がらないわけではありません。
子供の特性を考えて、たとえ硬くてもそれはその子が持っている大事な特性と捉え、ストレッチは適度に行っていくことが大切です。
今後研究が進めば、また見方が変わっていくのかもしれませんね。
チームトレーナー與那城