#2 マグネシウムの摂取について
「にがり」の成分でもあるマグネシウムは、生体の機能維持に不可欠なミネラルで、ナトリウム、カリウム、カルシウムに並び4番目に多い必須ミネラルです。
約60%は骨にリン酸マグネシウムとして、残りの40%は筋肉などの軟部組織に、1%が血液などに存在しています。
カルシウムと同じように、マグネシウムが不足すると、骨に貯蔵されたマグネシウムが遊離して利用されます。
必須アミノ酸と同じく生体では作ることが出来ず、食事でしか摂取することができません。
マグネシウムを多く含む食品としては、魚貝類・海藻類・大豆・ごま・ココア・バナナなどに多く含まれています。
運動やトレーニングを行う上で、マグネシウムは不可欠なミネラルのひとつです。
マグネシウムは、主に筋収縮を解く(主にリラックス作用)、タンパク質合成、骨を強くする、心臓血管系疾患や糖尿病を予防する、炎症を抑制する作用などがあるため運動量の多い競技者には特に十分なマグネシウム量が必要になります。
厚生労働省によるマグネシウムの推奨摂取量は、男性で約400mg/日、女性で約300mg/日ですが、平成25年の国民健康・栄養調査での摂取量は、30~49歳の男性で250mg、女性で220mgだそうです。とても少ないですね。
このデータからも分かるように、現在親となっている世代でもこの摂取量という事は、子供たちであればより低い摂取量になるという事が推察されます。
マグネシウムの欠乏は神経活動や筋活動に影響を与え、筋ケイレンなどの原因になると言われています。欠乏すれば、貯蔵場所である骨からマグネシウムが遊離することになるので、骨密度の低下にもつながります。
駅伝やマラソン、バスケット、サッカーなど、長い時間有酸素運動を行う競技では、筋活動や発汗量も多く、ナトリウムやマグネシウムなどの電解質成分は汗や尿とともに流れ出ていきます。特に、6月から9月にかけて高温多湿な宮古島では発汗量は非常に高まるので、熱中症とともに注意が必要になります。
試合が連続で行われる場合は、試合の合間や給水などのタイミングでも、水だけではなく、しっかりマグネシウムを吸収することをお勧めします。通常の練習でも、給水の際に摂取して普段から習慣づけると良いでしょう。
塩タブレットなどは、ミネラル成分は必要量には程遠い量しか含まれてないので補給という意味ではほとんど効果はありません。
マグネシウムを多く含む「ぬちまーす」か「雪塩」のボトルタイプなどを携帯して、水と一緒に摂取すると良いでしょう。
食塩成分(塩化ナトリウム)は多くありませんので、塩分を気にしている方は心配しないで大丈夫です。気になる方はサプリメントでもいいですが、お腹が緩くなる場合があるので様子を見ながら摂取すると良いでしょう。どちらもスーパーやドラッグストア、Amazonでも購入可能です。
【摂取方法】
摂取の仕方としては手に取って舐めるだけでいいですが、そのまま舐めてしまうと喉への刺激が強いので、一旦口の中で唾液に溶かしてから飲み込むと飲み込みやすいです。飲み込んだ後は水も一緒に飲みます。水に溶かして飲んでもいいですが、海水に近い濃度になり飲みにくいと思いますので、簡単に舐める方が摂取しやすいでしょう。
※通常の食卓塩は、塩化ナトリウム90%以上の精製されたものが多いのでマグネシウム含有量はほとんどありませんので上記二つの塩のどちらかを摂取するのがベストです。
【マグネシウム含有量(目安)】
・雪 塩 3,310mg/100g メーカーサイト⇒宮古島の雪塩®
・ぬちまーす 3,620mg/100g メーカーサイト⇒ぬちまーす On Line Shop
小さじ1杯で約3グラム。雪塩の場合約100mg、ぬちまーすで約110mgのマグネシウムが摂取できます。
マグネシウム推奨摂取量は、男性400mg/日、女性300mg/日です。
運動すれば汗や尿から排泄されていきますので、頑張って摂取してもなかなか推奨量は摂取出来ないと思います。
練習、試合前後や給水時、お弁当を食べる時にご飯やおかずにかけて食べても効果的に摂取できますので、普段から習慣付けるようにすると自己管理にも繋がるので是非やってみて下さい。
チームトレーナー與那城