#4 代謝(たいしゃ)って何??
代謝のことを英語でMetabolism(メタボリズム)と言います。
最近宮古毎日新聞の記事で、宮古島は日本一糖尿病、高血圧などのメタボリックシンドロームが多いという記事がありました。
メタボリックシンドローム(症候群)は、代謝が崩れ様々な生活習慣病を引き起こすリスクの高い状態のことで、メタボリックドミノというレールで表現されます。
⇒メタボリックシンドローム(慶応義塾大学病院 医療・健康情報サイト)
私たちが日頃食べている食べ物や飲み物は栄養素的に分類すると、「炭水化物(糖質)」「タンパク質」「脂質」「ビタミン」「ミネラル」の5大栄養素に分けられます。
食物は高分子(栄養素の大きな固まりの状態こと)の状態なので、そのままの形では体内の細胞は利用できません。高分子の食べ物を消化管内に取り込んで、体内の細胞がエネルギーを作ったり、必要な物質の合成に利用できる低分子の形まで変えなければいけません。この過程を「消化」といいます。
消化は高分子の形から低分子の形へと一方的に進む化学反応で、これを異化作用(いかさよう)と言います。これに対して、低分子の形を原料として、骨や筋肉、神経や血管などの体の中の高分子を合成する化学反応の事を同化作用(どうかさよう)と言います。
この異化作用と同化作用をあわせて、「代謝(たいしゃ)」と呼びます。
ちょっと難しい説明になりましたが、体内で分解する(こわす)ことを異化作用、合成する(作る)ことを同化作用と覚えておくと覚えやすいです。
この二つの作用がシーソーのように常に体の中で起こっていて、私たちの体を維持しています。ボディビルダーの人は筋肉の同化作用が進んでいるし、脂肪の蓄積で太っている人は脂肪組織の同化作用が進んでいるという事が出来ます。
逆に、風邪を引いた後やダイエットなどでやせる場合は、筋肉や脂肪などが分解されて異化作用が進んでいるという事になります。
人間のからだは、ほとんどがタンパク質と水で出来ています。骨、筋肉、脳、神経、血管、ホルモンなど、体の生命活動にかかわる様々な物質はほとんどタンパク質が原料となって作られます。細胞は日々タンパク質を必要としているので、摂取するタンパク質が少ないと体内のタンパク質を分解して材料にまわすため異化作用が進み、必要な物質が新鮮な形で作られなくなります。
特に第二性徴期(大人の体に成長していく期間)に入る小学校五年生~20歳ごろまでの人や、スポーツをしている人は、異化作用に傾かないようにタンパク質をはじめとした十分な栄養素を摂取する必要があります。これは思っているより多い量になります。
今回は簡単にですが、代謝について書いてみました。食べる、飲む、食べないという活動の下では、細胞が代謝活動をしているという事を良く理解しておきましょう。
選手の栄養面についてもブログの中で書いていきますので、是非実践して自分の中に落とし込んで下さい。
チームトレーナー與那城