#8 動作の遂行イメージを身につける

球技において、フィニッシュ動作は、「ボールを放つ」「ボールを打つ」この二点に集約されます。
このフィニッシュ動作に至るまでにはスポーツではいろんな動作があり、「走る」「投げる」「飛ぶ」「打つ」といったような基本動作があるわけです。
それでは、このフィニッシュ動作に入るまでの動作をどのように捉えていくのか。
私はハンドボールをしていましたが、ハンドの場合はシュート動作に入る前段階から打つ瞬間までキーパーとの駆け引きがあります。時間にすると1秒以内の間だと思いますが、その中でシューターはシュートコースを探したり、フェイントを考えたりします。そしてキーパーも、わざとシュートコースを空けて誘ったり、前に出てきてプレッシャーを与えたりします。
シューターはジャンプして滞空時間が長ければ選択肢が増えます。選択肢というのはイメージです。
サッカーであれば、シュート体勢に入るまで広い視野を持つ判断が求められます。ラインが下がれば下がるほどスペースも狭くなってくるので、認知や判断力がより一層重要になります。
そしてシュート動作に入った場合ですが、ここには「感覚の整理・統合力」が重要じゃないかと私は考えています。
どういう事かというと、シュート動作に入る感覚、踏み込んだ軸足の位置の感覚、足裏の重心の感覚、上体や膝の感覚、ストップ動作の感覚などを体の動作と一致させるという事です。フィニッシュに入る前の段階は、運動エネルギーを溜める動作になるのでそこも重要になります。
そして何より重要なのは、その感覚を「自分の言葉で伝えられるようになること」です。
言葉が無理なら、音の表現でもいいです。「いつもならググーッてなるけど、今日はクーッて感じがする」とか、
とにかく「何か違和感がある」と感じたら伝えることが大事です。
とにかく感覚を口で表現できるようにする。アウトプットすることで感覚も肉体とつながりやすくなります。そうすればより細かい動作が正確に行えるようになってきます。
ブルース・リーも言っていましたが、「don’t think ,feel」(考えるな 感じろ)です。
ですので、トレーニングではこの感覚を磨き、その感覚と統合できるフィジカル機能のトレーニングが必要だと考えています。昨年度はこの統合の部分が自分の中でも曖昧でしたので、新年度からは、その辺の部分も含めてトレーニングメニューを構築していきたいと考えています。
特にジュニアユースは高校に上がる前段階として大事な時期ですので、動作の遂行イメージが身につけられるように取り組んでほしいと思います。
チームトレーナー與那城