#14 ビタミン・ミネラルの働き
今回は「ビタミン」と「ミネラル」の働きについてです。
三大栄養素である、炭水化物(糖質+食物繊維)、タンパク質、脂質ですが、これらはエネルギーであるATPを作り出すための大事な栄養素ですね。しかし、三大栄養素だけではATPはちゃんと作ることが出来ません。
三大栄養素を消化吸収してエネルギーを作る時になくてはならないのがビタミンとミネラルです。
三大栄養素はエネルギーになるまでにいくつも姿を変えて小さく小さく変化していきます。その時に働くのが「酵素(こうそ)」という物質です。
酵素には大きく2種類あり「消化酵素」と「代謝酵素」に分類されます。
消化酵素は、口から入った食べ物を胃や腸から吸収される分子の大きさになるまでハサミでチョキチョキ細かくする様な働きをします。消化酵素がちゃんと働かないと私達は食べたものをエネルギー源として体の中に取り込むことが出来ません。
お腹が張ったり下痢をしたりするのは、消化管や消化酵素に何か問題があって吸収障害を起こしている証拠です。
もう一つの代謝酵素はATPを作ったり、筋肉や骨を合成、分解してまた新しく作り変えたりと、体を構成していくために様々な働きをする酵素になります。
例えば俳優さんがテレビの出演前に髪型やお化粧などをしていろんな役に挑戦しますが、俳優さんに衣装やメイクアップの仕事をするのが「代謝酵素」になります。そしてそのメイクアップアーティストのアシスタントをするのがビタミン・ミネラルの役割になります。これらは、酵素の仕事を助ける働きをするので「補酵素(ほこうそ)」とも呼ばれます。
酵素はほとんどがタンパク質からできています。そして酵素の働きを助けるのが補酵素であるビタミンとミネラルです。これらは体で作られるものもありますが、食事からしか摂取できないものもあります。特に人間はビタミンCは体で作ることが出来ません。ビタミンCが足りないとコラーゲン繊維をうまく合成することが出来ないので、爪が割れやすくなったり肌がカサカサになったり、歯茎が出血しやすくなったりといった症状が現れてきます。また免疫力を高める作用もあるので、風邪をひきやすくなったりもします。
ミネラル成分である「鉄」は赤血球を作る時に必要で、ミトコンドリアで酸素と共にたくさんのATPを取り出す時にも不可欠なミネラルです。
酵素と補酵素が一緒に手を繋ぎ働くことで体は元気な状態を保つことが出来ます。どちらかがバランスの悪い状態だと体はしっかり働かなくなります。ちゃんと働かないメイクアップアーティスト、アシスタントさんが出来上がってしまうのと一緒ですね。タンパク質が一番重要というのはここにも理由があります。そしてその働きを助けるビタミンやミネラルもしっかり摂取していきたいですね。
普段何となくビタミン、ミネラルは大事だなって分かっていても、それが体の中でどういう働きをしているのかが分かってくると面白くなります。摂取する栄養素にもより意識が向いていくと良いですね。
次回は、ビタミン・ミネラルそれぞれの働きや含まれる食材など紹介していきたいと思います。
チームトレーナー與那城