内容
▼試合詳細▼
キックオフのホイッスルが鳴り、ゲームが始まった数分後、はやくも試合が動いた。
相手陣内、センターサークルのやや先でボールを受けた沖野リクが、足元にボールをおさめると、周囲の味方が一斉に声をあげボールを呼び込む。
右?左?どちらにパスを出すか。
パスコースを潰しながら二人の相手DFに囲まれた沖野リクが迷わず選択したのは、シュートだった。
「ドン!」
助走など無かった。ほぼ軸足の踏み込みワンステップだけのロングシュートは、見事にインステップにミートして、鋭い弾道を描いてゴール左上に吸い込まれて行った。
これまでも意表を突くタイミングのシュートで何度もゴールを割ってきたリクが、大事な試合で貴重な先制点をあげた。
その後も、カイリ、コウスケ、コウノスケらの厚い攻めで優勢に試合を進めるも、幾度かのピンチも招いた。が、GKジンとキャプテンサクノスケ、ハヤテら守備陣の踏ん張りで前半を1-0で終えた。
後半、ショートパスを有効につなぐインデは、チャンスメイクが増加。途中出場した5年生FWハルと冷静なゲームメイカーケイタを中心に果敢にゴールへと襲いかかる。
しかし追加点を奪えないまま、給水を終え、試合終了までおよそ5分となり、このまま逃げ切る展開が頭をよぎった頃、試合が動いた。
カウンターを食らった後、相手エースの個人技から失点。試合は1-1の同点となった。
歓喜に沸く相手チーム。
昨年の悪夢が蘇った。硬さがあっても、先制点を奪うと急激に尻上がりに調子をあげるINDEPENDIENTEの選手達。しかし、追いつかれると意気消沈して焦りと共にプレーは単調となり、相手に試合のペースを譲ってしまう展開に。それが去年の全日リーグ戦の印象だった。
しかし、今年は違った。
同点に追いつかれても、自分達のサッカーをすれば、数分あれば点は取れる。そう自分達に言い聞かせているかのように、「落ち着こう!大丈夫、繋いでいこう!」ベンチのコーチや観戦していた父母が叫ぶ前に、ピッチの選手達自らがお互いに声を掛け合っていた。
そして、その声は現実となった。
試合残り時間数分。同点でドロー、、、そんな不安など吹き飛ばすかのような攻めの姿勢がそこにはあった。
絶対勝つ!そんな気持ちが前面に出たインデの選手達のプレーが実を結んだ。ペナルティーエリアやや外での混戦から、ゴールハンター=沖野リクがまたしても火を吹いた。一瞬の隙を見逃さずに、膝下のコンパクトな振りによるトゥーキックで真芯を捉えられたボールは、ゴール右サイドネットに真っ直ぐに飛び込んで行った。
歓喜のあまり、ラザニア状態に折り重なる選手達。
その後もすかさずキャプテンのサクが大声をあげる。
「集中しよう!最後まで!」
去年の今頃、掴み損ねた全日予選での宮古島1位の座。その大きな悔しさを経験した選手たちが、あれから1年の成長の証と共に、しっかり「自分達で」掴み取った見事な勝利だった。
インデペンディエンテ 2-1 平良第一FC
REY DE COPAS!!